* 嫌われマイノリティ思う2 * 殴られた。 ブンちゃんに殴られた。 ひどい。 『そんなこっぱずかしい台詞を大声で叫ぶな』だなんて…。 だって本当のことなんですもん。 あの二人の小指には、くっきりと赤い糸が繋がってるんです。決して切れることのない糸が。 ああ、説明がまだでしたね。先ほどもいいましたが、わたしには運命の赤い糸が見えます。触れることもできます。 ただ良くあるご都合主義的漫画のように、ハサミでちょっきんしたり、玉結びできるようなものではありません。 だって、『運命の』赤い糸ですから。 だから中学校ではあんまり繋がっている人見かけないんですよねー。やはり社会に出てから、出会うんでしょうかね…。かくいうわたしの指にも赤い糸はありませんよ…。 いや、この場合は『見えない』のでしょうかね。ほらほら、チートは禁止じゃないですか。 「なにやってるのー?てかそのたんこぶ何?」 おっと。 「ほほお。これはこれは市立柿の種中学三大美少女(当社比)2年5組出席番号32番金武ひばりさん(金武さんっていうと怒る)ではないですか」 「若干商会に悪意を感じる上にあたしにその説明をする必要性を感じないけど…まぁそうですよといっておこうかな。」 明朗快活、才色兼備。身長155cm。腰まで届く栗色のゆるふわウェーブを持っててもう抱きしめたい。部活は水泳部で適度に日焼けした肌が健康的な雰囲気を醸し出しています。それにしてもその髪どうやって収納してるんですか?いやそれよりも…。 「…多聞先生なら進路相談室当番ですよ…」 「え! いや、べつにたもちゃん先生を探していたワケではないんだけど…あ、ああそうだね!物理の教材取ってくるように云ってたの今思い出した−! そ、それじゃあ行くね!バイバイ」 「…わかりやすすぎる…」 ああ柿の種中学のクレオパトラが去って行く…。 彼女の残念なところあげるとすれば、男の趣味が一般女子とかけ離れているところですね。 クラスの女子が某事務所のアイドルや、月9火9の主演俳優、はたまたイケメン声優に熱を上げているときに彼女は、少しでも多聞先生に良く思われるために必死に苦手な物理の勉強をするのです。けなげすぎて泣けてきます。 くだんの多聞先生はというと…一言で言うと、おっさん。 おっさん以外に形容できません。寡黙、男気、男は背中で語る。顔が濃い。いやいや確かに、素敵な先生でありますし、大人の余裕満々ですけど! そこに行かなくても! でも残念ながら、赤い糸は繋がってないんですけどね…いやいいのか。繋がってたらやばいか。 「でもなー、叶わない淡い恋心をもつ女子…応援したくなるんですけどね…」 まあ、こうやって他人に恋路が分かってしまうっていうのも、気まずいというか、後ろめたいというか…。 ん!? 「あ、あれは…!」 ![]() |